【マボロシ】
song/word Tsutomu kiyota
ワイングラスに残る赤い口紅を
なぞった指先で僕の唇に触れる
戸惑いながらも委ねる体に
瞳の奥に隠れていた本音が迫ってくる。
「華やかに生きる薔薇色」が淀んだ
寂しい瞳に吸い込まれていく
今宵、マボロシと交わした唇はどこか寂しそうで…
閉じた瞼から溢れだした涙に秘められた真実
淫らに魅せる胸元が露わね。
甘い言葉で誘うなんて、そんな時間じゃない…
何も聞かなくたってわかっているでしょ?
寄り添って抱きしめて…
淋しさで壊れそう。
欲しがるその目が求めているのは
素肌で触れ合う温もりだけなのに…
今宵、マボロシに抱かれて涙で滲む街、彷徨って
孤独の夜を超える船に跨って揺れている現実